野中祥平・NonaCanvas 100問100答|第12章 あなたらしい進め方と合う人・合わない人(Q84〜Q96)

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Q84. セッションを始めるとき、必ず最初に確認していることは何ですか?

まず、前回から何が起き、今、何が頭に残っているかを伺います。固定の質問を順番に読み上げるというより、ご本人の現在地を一緒に取り戻すところから始めます。

最初に確認するのは、実行したこと、進んだこと、うまくいかなかったことです。ただ、進捗報告だけにはしません。その間に嫌だったこと、引っかかったこと、思いついたことも聞きます。予定していた議題とは別に、今大事な論点が含まれていることがあるからです。

次に、それらを画面上に出して、「今日はどこを考えると意味がありそうか」を一緒に決めます。本人が最初に挙げた課題を、そのまま唯一の議題として固定するとは限りません。

初回なら、ご本人と会社のこれまでの経緯、どんな未来を望んでいるかも伺います。今日起きたことだけを見るのでも、遠い目標だけを見るのでもなく、両方のつながりを確認します。

目指すのは、コーチへ整った報告をする時間ではなく、話す前には曖昧だった「今、何を扱うべきか」が見えてくる時間です。

NonaCanvasのコンサルタントは、クライアントの意向に反する提案をすることがありますか?

Q85. クライアントの希望どおりに進めず、別の提案をするのはどんなときですか?

ご本人が進めようとしていることと、本当に望む未来、会社の現状、他の重要課題が噛み合っていないように見えるときは、そのまま賛成せず、別の見方を返します。

例えば、次のような考え方です。

「人を採れば解決する」と話しているとき。採用そのものに反対するのではなく、その人に何を任せるのか、既存のメンバーとどう分担するのか、入社後に誰が育てるのかが決まっているかを確認します。人手の問題に見えても、その手前の役割設計が論点かもしれません。

新しい施策が魅力的に見えているとき。その施策自体が良いことと、今の会社で優先すべきことは別です。何を解決したいのか、今すでに動かしていることとの関係はどうか、逆に何をやめるのかまで一緒に見ます。

「自分が頑張ればよい」で進めようとしているとき。短期的にはそれで進んでも、目指している組織や本人の役割から遠ざかっていないかを考えます。私自身が得意な仕事を引き取り続け、組織の問題を後回しにした経験も、その問いの背景にあります。

こうした場面では、私は自分の見立てを仮説として伝えます。目的は、私の案に従ってもらうことではありません。本人の希望を尊重するからこそ、その希望からズレそうなことも曖昧にせず、選び直す材料を出すという関わりです。

NonaCanvasのコンサルティングや支援では、どこまで踏み込んでアドバイスをしてもらえますか?

Q86. 逆に、あえて踏み込まない・やりすぎないと決めていることはありますか?

本人の代わりに最終決定をすること、私の成功体験をその人の正解にすることは、しないようにしています。

私も、顧問やコンサル、アドバイザーから経験知をもらって助かった一方、もっとフラットに一緒に考えたいと感じた時期がありました。美容とSNSという変化の大きい領域では、誰かがすでに持つ答えをそのまま当てはめるだけでは進まない問題もあったからです。

だから、私に有力な案が見えたとしても、「この人の事業と価値観に本当に合うか」を確かめずに結論にしないようにしています。仮説を返すことと、相手の探求を終わらせることは違います。

また、無理にテンションを上げたり、外から見て立派な経営者像へ合わせたりすることもしたくありません。私自身、誰かのようにすごい経営者にならなければ、という感覚から、自分が望む経営や働き方を考えられるようになったことに価値を感じました。

本人の違和感を押しつぶして前進したように見せるより、何に納得していないのかを一緒に考える。そこは急ぎすぎないようにしています。

NonaCanvasのコーチングセッションでは、どのような観点でクライアントの状態を見ているのですか?

Q87. セッションの途中で、特に注意して見ているサインはありますか?

特に注目しているのは、ご本人がどこで気持ちを動かされたか、どこで考えや行動が止まるか、どんな話に可能性を感じるかです。

「少しイライラしただけ」「なんとなく気になっただけ」と本人が小さく扱っていることに、組織や事業の論点が含まれている場合があります。例えば、相手の対応に苛立った話から、そもそも期待や権限が共有されていなかったことが見えてくるかもしれません。

ただし、違和感があるからといって、必ず相手や組織が間違っているとは考えません。何を期待していたのか、自分の中にどんな前提があったのかも確認します。感情を結論にするのではなく、考える場所を見つける材料にします。

「やると決めたのに進まない」「考えると重い」「できない理由ばかり出る」といった状態も見ます。本人の意志の問題と決めつけず、論点や進め方が曖昧なのか、本人が本当は望んでいないのかを確かめます。

反対に、「それならやってみたい」「その未来だったら嬉しい」という反応も大事です。困りごとを減らすだけでなく、まだ形になっていない可能性を育てたいからです。

関連する考え方:違和感から経営課題を捉える、私の実践上の見方(https://note.com/shohei\_nonaka/n/nedb5d149b1fb)

NonaCanvasのコンサルティングを依頼する際、どのような姿勢や状況であれば受けてもらえますか?

Q88. お受けするかどうかを決めるとき、特に重視することは何ですか?

ご本人に対話する意思があるか、この場で扱う意味のあるテーマがありそうか、私とのやり取りが役立ちそうかを重視します。

役職や売上の大きさだけで選ぶわけではありません。すでに課題が明確なことより、分からないことを一緒に考えられること、会社だけでなく自分の見方や関わり方も必要なら見直せることが大切です。

逆に、会社や周囲だけを変えてほしくて、本人は何も話したくないという場合は、まずこの場に何を求めているかを確認する必要があります。

初回は、私が一方的に相性を判定するための時間ではありません。ご本人にも、話しやすさ、問いや仮説の受け取りやすさ、実際にテーマが前へ進みそうかを確かめていただきたいと思っています。

経営相談の場で、話しながらリアルタイムに考えを図や言葉に整理してくれるサービスはありますか?

Q89. 「ここまでしてくれるのか」とクライアントに驚かれることはありますか?

話している最中に、頭の中のものがPowerPointなどで言葉や図になっていくことは、初めての方によく驚かれます。

私だけが手元でメモを取るのではなく、同じ画面を見ながら考えます。「この二つは別の問題ですね」「ここの役割がまだ空いていますね」「本人が気になっているのはこちらかもしれませんね」と、話の関係が見えるようになります。本人から「いや、そこは違います」と直していただくことも含めて、共同で整理していきます。

また、抽象的な気づきだけで終わらず、必要なら、幹部の育て方、会議や1on1の進め方、社長への伝え方といった具体的な場面まで考えます。

例えば「この人を幹部にしたい」というテーマなら、肩書きをつける話だけでなく、今どんな判断を任せられるか、半年後には何を担ってほしいか、そのために日々の対話をどう変えるかまで扱うことがあります。

経営経験は、答えを早く言うためだけではなく、相手が次に考えるとよさそうなところへ問いを届けるためにも活かしています。なお、こうした対話中の整理と、完成した資料の制作を別途請け負うことは同じではありません。

公開されたお客様の体験談(https://nonacanvas.co.jp/voice)でも、可視化や具体化についてお話しいただいています。

NonaCanvasのコーチング・支援では、どのようなことをしないと決めていますか?

Q90. 「これはやらない」と決めていることはありますか?

何でも肯定することと、自分の正解を押しつけることの、どちらにも寄せないようにしています。

相手の力を信じるからといって、目的とズレて見える選択まで無条件に後押しするわけではありません。一方、経営経験があるからといって、「私の言う通りにすればよい」という関係にもしたくありません。必要な問いや指摘は返し、選択は本人に残します。

また、数字の達成のためなら本人や周囲が疲れ切ってよい、という前提にも立ちません。ただ気分よく話して、現実の重要課題を避け続ける対話にもしたくありません。成果と、その人らしく経営できることの両方を考えます。

守秘義務を守ること、専門外のことを分かったふりで引き受けないこと、継続を無理に勧めないことも、支援の線引きです。長く関わる相手だからこそ、その場の印象より、信頼して話せる関係を大切にしています。

NonaCanvasのコーチはどのような経験からコーチングを提供するようになったのですか?

Q91. 今の進め方になったきっかけの経験はありますか?

一番大きいのは、私自身が事業責任者としてコーチングを受け、「知識があること」と「自分の大事な問題に向き合えること」は違うと体験したことです。

◆ 最初から、明確な経営課題の解決だけを目的に受けたわけではありません

2020年1月にコーチングを受け始めたとき、きっかけには、友人から面白いと聞いたことや、仕事以外の自分の活動を取り戻したい気持ちがありました。少しワクワクが不足している、という感覚もありました。

当時、私はM&A後の美容SNSメディア「MimiTV」の経営を担っていました。事業は伸ばしたいし、得意な事業開発には手が伸びる。一方で、人材登用や育成がうまくいかず、組織の問題を重く感じているところもありました。

◆ 解決策がなかったのではなく、選べる手段を自分で狭めていました

それまでも顧問やコンサルタント、アドバイザーに頼り、知識や人脈を借りていました。ただ、組織の問題になると、事業責任者なのだから自分が何とかしなければ、と抱えていました。

コーチと「制約がなければ、本当はどうしたいか」「使えるリソースをもっと広く考えたら、何ができるか」と考えるうちに、経験のあるマネージャーの力を借り、私は得意な事業づくりに集中するという選択が見えてきました。

社長に、必要な人材や支援を相談する。行動だけを見ればシンプルです。でも、それまでの私には、弱さを見せず自分で解決しなければという前提がありました。コーチングで得たのは、知らなかった経営ノウハウだけではなく、その前提を一度外して考える時間でした。

◆ 問題の解消だけでなく、まだない未来を考える時間にもなりました

2020年春には、コロナ禍が長く続くとして、自社にとってピンチではなくチャンスになっている未来を考えました。

美容メーカーの広告や消費者の行動が変わる中で、SNSについて相談するなら自分たち、という立ち位置をつくれたらどうだろう。そこから、Twitter Japanとの連携や、新しい商品・提案を具体的に進めることを考えました。

私は、この対話が、一人では選ばなかった動きを考える大きなきっかけになったと振り返っています。もちろん、事業の成果はチームの実行や環境も含めて生まれたもので、対話一つだけの効果ではありません。

◆ 定期的に話すことで、次のテーマが見えるようになりました

当時は月2回、土曜日に2時間ずつ受けていました。組織の立て直しや戦略の話から、投資、人材育成、さらに2022年の育休や事業の引き継ぎへと、テーマは変化しました。

受け手だった私は、自分でPowerPointにメモやイメージを描きながら考えていました。現在はコーチとして、ご本人の話を同じ画面上に出し、一緒に考える形にしています。大学時代から好きだった「人の考えを聞き、見える形にして、議論を前へ進めること」ともつながっています。

だから今も、困りごとを片づけることと、その先の可能性を育てることを分けたくありません。重くて一人では触れなかったテーマを一緒に開き、本人が本当は望んでいる未来につながる選択を見つける。その時間を、今度は私が提供したいと思っています。

参考:本人の受講体験(https://nonacanvas.co.jp/voice/nonaka\_self)/当時コーチと話していたテーマを振り返ったPodcast(https://nonacanvas.co.jp/blogdetail/podcast\_002)

NonaCanvasのコーチング・対話支援は、どんな状況の人に向いていますか?

Q92. 特に成果が出やすいのは、どんな状況の方ですか?

これまでの支援を通じて、すでに動く力や経験があり、その力の使い方が混線している方には、対話の価値が出やすいと感じています。

例えば、事業をつくる力はあるのに、組織や人の問題が頭に残り続ける。決断は速いのに、任せ方が曖昧で、結局自分に仕事が戻る。新しいアイデアが次々に浮かび、どれに自分の時間を使うかが定まらない。そうした状態です。

その場合、必要なのは単に行動量を増やすことではありません。何が詰まっているか、どこに力を使うか、何を手放すかを一緒に考えることで、もともと持っている力が働きやすくなる可能性があります。

また、話したことを実際に試し、その反応や違和感を次回に持ち帰れることも大切です。成功した報告だけでなく、「やってみたら違った」があるからこそ、本人と会社に合う選択へ更新していけます。

株式会社NonaCanvasのサービスはどんな人に向いていますか?

Q93. どんな姿勢の方と相性がよいですか?

自分で決めたいけれど、一人だけで決め続けることには限界も感じている方と、相性がよいと感じています。

話しながら考えを深めたい。まだ言葉にできない感覚も大事にしたい。違う見方を受け取りつつ、自分でも確かめたい。そうした姿勢があると、私の質問や仮説が、本人の考えを進める材料になります。

私に同意する必要はありません。「それは違う」「確かにその見方もあるが、自分はこっちが大事だ」と話せる関係が理想です。反論があることより、その違いを言わずに合わせてしまう方が、本人に合う選択から離れてしまいます。

成果を出すことに加えて、自分や周りの人がどう働くか、何を大事にして会社を育てるかも考えたい方には、特に活用していただきたいと思っています。

NonaCanvasのコーチングが向いていないケースや、対応が難しい依頼にはどのようなものがありますか?

Q94. 能力的には対応できても、あまり向いていないケースはありますか?

私が経験上アドバイスできることでも、手順を教え続けることが中心になる場合は、現在のコーチングとは少し違います。

例えば、これから初めて事業をつくる方が、商品設計や集客の基礎を順番に学びたい場合です。その段階では、体系的な講座や実務コンサルティングの方が、必要な情報を得やすいことがあります。

独立初期にインフルエンサーの事業づくりを支援した経験を通じて、私自身は、先生として手順を教えることよりも、相手の考えを引き出し、一緒に探求することに力を使いたいと分かってきました。

ただし、「新しく会社をつくった人は全員合わない」という意味ではありません。経営経験を持つ方が、新しい事業の方向や役割を考える相談は、十分に対象になります。会社の年齢より、今何を必要としているかが重要です。

また、ご本人は変わらず社員だけを変えてほしいという依頼も、進め方が噛み合いにくい場合があります。いずれも優劣ではなく、必要な支援との相性です。

NonaCanvasのサービスが向いていないのはどんな相談ですか?

Q95. 別の専門家やサービスを選んだ方がよいのは、どんな場合ですか?

課題が明確で、必要なのが特定の専門判断や実務の実行であれば、その分野の専門家を選ぶ方がよい場合があります。

例えば、営業資料を制作したい、採用実務を任せたい、広告を運用したい、システムを実装したい、といった場合です。法律・税務などの判断や、医療・心理療法も私の提供領域ではありません。

一方で、「何を頼むべきかが分からない」「その施策は今の会社に必要なのか」「外部に任せたあと、社内で誰が動かすのか」が曖昧なら、依頼の手前をコーチングで整理する意味があります。

すべてを私のサービスに寄せるのではなく、ご本人に必要な方法を考えます。紹介できる適切な方がいる場合には、専門家との連携も検討します。

経営者やNo.2が組織・役割・新規挑戦について相談できるコンサルタントはどんな悩みを入口にしているか?

Q96. 「この状況なら、まず相談してほしい」という代表的なケースを3つ挙げてください。

次の三つは、課題名が決まっていなくても、まず話していただきたい相談の入口です。

◆ 1. 会社は成長しているのに、自分の忙しさが減らない

売上は伸び、社員も増えた。それなのに、案件の判断、社員の相談、トラブル対応が自分に集まる。「この繁忙期が終わったら、ちゃんと任せ方を考えよう」と思いながら、また次の繁忙期が来ている。

この場合は、仕事を減らす方法だけでなく、何を本人が担い続け、誰に何を任せ、その人をどう育てるのかを一緒に考えたいと思います。私自身、得意な仕事を引き取りながら、組織の問題を後回しにした経験があります。

◆ 2. No.2として会社を支えているが、自分の役割をこのまま増やしてよいか分からない

社長の構想を形にし、現場の問題も受け止める。会社に必要なことは分かるけれど、自分の仕事は増え続ける。社長への違和感や、自分が本当はどう働きたいかは、社内では話しにくい。

こうした場合、本人の気持ちだけでも、組織図だけでもなく、両方を扱います。誰を引き上げるか、自分は何をやめるか、社長と何をどう話すかまで考えることができます。

◆ 3. 新しい挑戦をしたいが、何を選ぶか・どう始めるかが決まらない

AI活用、新規事業、新しい提携など、可能性は見える。でも、今の会社の強みや人材との関係が整理できず、あれもこれも増えるか、逆に何も始められないままになっている。

この場合は、「できない理由」を確認する前に、本当はどんな未来をつくりたいかを考え、そこへ向けて今ある条件で何を試せるかを探ります。大きな実行計画を一気に作るのではなく、まず一人に相談する、一つの小さな実験を始める、といった一歩が見えることもあります。

「最近、決断していますか?」とお聞きするとき、私が気にしているのは、日々の即断即決の多さだけではありません。ずっと保留している大事なテーマを、自分の意思で扱えているか。そこに思い当たることがあれば、一度話してみてください。

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