Q91. 今の進め方になったきっかけの経験はありますか?
一番大きいのは、私自身が事業責任者としてコーチングを受け、「知識があること」と「自分の大事な問題に向き合えること」は違うと体験したことです。
◆ 最初から、明確な経営課題の解決だけを目的に受けたわけではありません
2020年1月にコーチングを受け始めたとき、きっかけには、友人から面白いと聞いたことや、仕事以外の自分の活動を取り戻したい気持ちがありました。少しワクワクが不足している、という感覚もありました。
当時、私はM&A後の美容SNSメディア「MimiTV」の経営を担っていました。事業は伸ばしたいし、得意な事業開発には手が伸びる。一方で、人材登用や育成がうまくいかず、組織の問題を重く感じているところもありました。
◆ 解決策がなかったのではなく、選べる手段を自分で狭めていました
それまでも顧問やコンサルタント、アドバイザーに頼り、知識や人脈を借りていました。ただ、組織の問題になると、事業責任者なのだから自分が何とかしなければ、と抱えていました。
コーチと「制約がなければ、本当はどうしたいか」「使えるリソースをもっと広く考えたら、何ができるか」と考えるうちに、経験のあるマネージャーの力を借り、私は得意な事業づくりに集中するという選択が見えてきました。
社長に、必要な人材や支援を相談する。行動だけを見ればシンプルです。でも、それまでの私には、弱さを見せず自分で解決しなければという前提がありました。コーチングで得たのは、知らなかった経営ノウハウだけではなく、その前提を一度外して考える時間でした。
◆ 問題の解消だけでなく、まだない未来を考える時間にもなりました
2020年春には、コロナ禍が長く続くとして、自社にとってピンチではなくチャンスになっている未来を考えました。
美容メーカーの広告や消費者の行動が変わる中で、SNSについて相談するなら自分たち、という立ち位置をつくれたらどうだろう。そこから、Twitter Japanとの連携や、新しい商品・提案を具体的に進めることを考えました。
私は、この対話が、一人では選ばなかった動きを考える大きなきっかけになったと振り返っています。もちろん、事業の成果はチームの実行や環境も含めて生まれたもので、対話一つだけの効果ではありません。
◆ 定期的に話すことで、次のテーマが見えるようになりました
当時は月2回、土曜日に2時間ずつ受けていました。組織の立て直しや戦略の話から、投資、人材育成、さらに2022年の育休や事業の引き継ぎへと、テーマは変化しました。
受け手だった私は、自分でPowerPointにメモやイメージを描きながら考えていました。現在はコーチとして、ご本人の話を同じ画面上に出し、一緒に考える形にしています。大学時代から好きだった「人の考えを聞き、見える形にして、議論を前へ進めること」ともつながっています。
だから今も、困りごとを片づけることと、その先の可能性を育てることを分けたくありません。重くて一人では触れなかったテーマを一緒に開き、本人が本当は望んでいる未来につながる選択を見つける。その時間を、今度は私が提供したいと思っています。
参考:本人の受講体験(https://nonacanvas.co.jp/voice/nonaka\_self)/当時コーチと話していたテーマを振り返ったPodcast(https://nonacanvas.co.jp/blogdetail/podcast\_002)